国民年金の不安定さが取り沙汰される中、私的年金の必要性が増しています。このような状況の中、ANGLは高配当を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっています。ANGLに10年〜20年の間、継続的に長期投資を行うことで、安定した収益を得ることが期待できます。今回は、ANGLの概要、メリット、およびデメリットについて詳しく見ていきます。
ANGLは、VanEck社が提供するFallen Angel High Yield Bond ETFです。このETFは、一度は投資適格格付けを持っていたものの、その後格下げされた「堕天使(Fallen Angel)」社債に投資しています。
ANGLは、エネルギーセクター、通信セクター、消費者サービスセクターなど、様々な業界の企業の社債で構成されています。これにより、特定の業界リスクを分散させ、ポートフォリオの安定性を図っています。
ANGLの最大のメリットは、高利回りです。元々投資適格だった社債が格下げされ、利回りが高くなっているため、投資家は高い収益を期待できます。
格下げされた社債が再度格上げされる可能性もあり、その場合、社債価格の上昇によるキャピタルゲインが期待できます。これにより、利息収入だけでなく、価格上昇分も収益として得ることができます。
ANGLは複数の企業の社債を含んでいるため、特定の企業がデフォルトするリスクを分散することができます。これにより、投資ポートフォリオのリスクを抑えることが可能です。
格下げされた社債に投資するため、その企業がさらに格下げされるリスクや最悪の場合にはデフォルトに陥るリスクがあります。この点は投資家にとって大きなデメリットです。
社債は金利の変動に敏感であり、金利が上昇すると社債の価値が下がる傾向にあります。そのため、金利上昇局面ではANGLの価格が下落するリスクがあります。
ANGLの経費率は年0.35%であり、これが投資リターンに対するコストとして作用します。経費率が高い分、長期的には投資収益が減少する可能性があります。
ANGLは高リスク・高リターン型の投資商品であるため、短期的な値動きに左右されない長期的な投資戦略が重要です。10年以上の長期投資を前提とすることで、高利回りの恩恵を享受できるでしょう。
高リスクを伴うため、ANGLのみでポートフォリオを構成するのは避け、他の低リスク資産と組み合わせてリスク管理を行いましょう。これにより、ポートフォリオ全体のバランスを保ちつつ、高利回りを追求することが可能です。
市場環境に応じて定期的にポートフォリオの配分を見直し、最適なバランスを維持することが重要です。特に金利変動や企業の信用状況の変化に敏感であるため、定期的なチェックが必要です。
以上のように、ANGLは高利回りを求める投資家にとって魅力的な選択肢となり得ますが、高いリスクも伴うため、投資には慎重なリスク管理が求められます。長期的な視点で投資することで、そのメリットを最大限に引き出すことができるでしょう。